こんにちは!
中学校の特別支援学級と通常学級で教職歴10年のよしよしです。
専門教科は保健体育です。
今回の記事は、特別支援学級の体育授業の作り方の解説Part2です!
今回の授業のテーマは『持久走(5分間走)』!!
この記事を読むことで、特別支援学級(知的)で働く保健体育科の先生方の
特別支援学級の授業って具体的にどんなことをすれば良いの?
持久走が良いって聞いたけど、どんなメリットがあるの?
以上の悩みを解決します!
1.特別支援学級での持久走(5分間走)の具体的な行い方
2.5分間走を行うメリットや留意点(安全面・心理面)
3.特別支援学級でどのように持久走の授業(5分間走)を行うかの見通し
以上3点が分かるようになります!
それでは解説にうつります!
持久走(5分間走)の目的
①生徒の基礎的な体力の向上
持久走を継続して行うことで、生徒の基礎的な体力が向上します!
学校生活や家庭生活の土台を育むことができます!
②自信の育成
持久走(5分間走)では、生徒一人ひとりが、時間内に走った周数を毎回記録します。
そのさい、1周を4分割することで、細かな成長を生徒が実感できるようにしましょう。
成長をどんどん感じることで、生徒に自信がつきます!
具体的には生徒の周回数を「〇〇周」ではなく、「○○周+△」と記録しましょう!(下に図で例をしめしています!)
成長をほめることで、授業に肯定的な雰囲気が生まれ、生徒のやる気もUPします!
持久走(5分間走)自体は、生徒が慣れてくれば、
・準備
・トレーニング実施
・片付け
全部で10分もあれば終わります。
そのため、授業の主単元が「球技」や「器械運動」などの別領域であっても、年間を通して継続的に、体育授業で取り組むことが可能です。
わたしが勤めた学級でも、必ず毎授業ではないものの、年間を通して、継続的に持久走に取り組んでいました!
補足(よしよしが5分間走(持久走)で考えていたこと)
楽しくできると良いなぁ。
そのために、ぜひ音楽を活用してください!
リズムが早くアップテンポの曲がオススメです!!
みんなで準備や片付けも協力できると良いなぁ。
持久走に必要な用具の担当を決めて、準備や片づけを生徒達で協力して行いましょう!
1~3年生が合同で体育授業を行う学級では
「上級生+下級生」の組み合わせが、準備や片付けのやり方を引き継いでいけるのでおすすめです!
持久走(5分間走)の具体例
時間:4~5分(1曲分)
①音楽に合わせて楽しく行えるように
・明るい曲
・リズムの速い曲
②あまり長すぎないように
・長すぎると生徒が飽きたり、体力的につらくなります。
③生徒のお気に入り曲を使ってみる
・最初は先生の選んだ曲で。
慣れてきたら生徒のお気に入り曲を使ってみと盛り上がります!
構成図
必要用具
1.ライン
ちょうどよいラインが体育館に無い場合や校庭で実施する場合はコーンを活用します
柔らかい素材の大き目のコーンがおすすめです。
2.コーン(〇〇周と△△)
△△部分の基準となる目印として、コーンを使います。
4つの角のそれぞれ中間地点に置くと良いです。
3.ラジオカセットデッキ(Bluetoothを推奨)
持久走の間に使う曲を流すのに使います。
Bluetooth機能付きだと、携帯の音楽アプリから曲を流せるのでオススメです!
4.周回記録表(名簿)
生徒全員で走る場合は、T2の先生や介助員の先生方に、分担して生徒の周回数を記録してもらいます。
こちらも柔らかい素材で可能であれば色違いにすると視覚的にも変わります。
5.数取機(かずとりき)
人数が多い学級で、教員が記録をとることが現実的でない場合もあります。
その場合は、2グループに分けて、ペアを作り、お互いの記録を数取機(かずとりき)で周回数を数え合います。
生徒同士で数えるので、生徒の実態によって、回数を数えるのが不安な場合は、先生方が補助に入ったり、上級生とペアにするなどの対応が必要です。
ペアでは、お互いを励まし合うことで温かい雰囲気で実施ができます!
個人の周回数記録表
1人ひとりの毎回の周回数と最高記録が分かるような学習カードを作ると、生徒の成長が把握しやすいです。
工夫点
①人数によっては混雑することもあるので、その場合は2グループ以上に分けて実施する。
②持久走(5分間走)になれないうちは、頑張りすぎて体調を崩す生徒もいるので、全体観察の先生と逆走して、生徒の顔色を確認する先生を配置するなど、安全面にも配慮しましょう。
あくまでも、生徒の安全・楽しいを優先して実施しましょう!
実施のポイント
用具の取り扱い
生徒に役割をふると、自分たちで準備片付けができます。
年度当初は先生と上級生で準備・片付けの手本を見せます。
生徒の役割分担
生徒が自分たちで役割を分担し、用具等の準備片付けをできると良いです。
ですが、学級の状態によっては、教員が手伝いに入りましょう。
「早く終わったら他の生徒を手伝う」という姿勢が生徒に身につくと
準備のスピードアップ&助け合う雰囲気ができます!
安全な用具を使う
【柔らかい素材の用具】
- 柔らかいコーンなど
柔らかい素材のものを準備することで、怪我のリスクを軽減できます。
【薄い素材のもの】
安全管理・実施上の約束
【実施前】
✅靴紐の確認(転倒防止)
【実施中】
✅靴紐の確認(転倒防止)
✅用具の配置場所(生徒が蹴ったりしたものを教員で戻します)
✅生徒の表情確認(体調やオーバーワークを見取る)
【運動後】
✅急に立ち止まらせない(心臓への負担軽減)
✅表情確認(オーバーワークへの対処)
チェックポイントは教員で共有し万全をきしましょう!
持久走(5分間走)のメリット・デメリット
メリット
✅前進の持久力が向上する
✅ストレスの発散の機会になる
✅楽しく運動を継続できる
✅生徒が自分たちで環境を作る経験をさせられる
✅生徒観察の場(技能・社会性)
✅継続的に取り入れることで教師も生徒も活動の見通しをもちやすい
デメリット
☝数を数える役割が必要(教員または生徒同士)
☝生徒の混雑緩和のため、複数グループで実施する場合は、実施の時間が
グループの数の分だけ増える
☝走ることが苦手な生徒は最初抵抗を示すこともある。
→ゆっくりでもいいから楽しく継続できるペースを続けると
生徒の様子も変わってきます
☝同じことをすることで飽きる生徒もいる
1年間同じ取り組みを続けることもできますが、ずっと同じことを続けると飽きる生徒もでます。
そのため、行事や他の球技が立て込む時期には持久走をカットすることで、授業にメリハリがでます。
ただし、生徒も活動に慣れてくると数分で準備が完了できます。
年度初めの準備時間を計測し、折を見て記録更新に挑戦させるなどすると楽しく時間効率を上げられます!
補足
おすすめできる学級
✅教師(あなた)がやってみようと思える(1番大事)
✅同僚・生徒の理解を得られる。(年間計画等や他領域との兼ね合い)
☝生徒達が自分たちで準備に前向きに取り組める学級だと取り組み易いです
✅教師の人数や、数取機(かずとりき)どちらかの条件がそろっていると
取り組みやすいです
※どちらもそろわない環境では
☝名簿による正の字カウント
☝生徒が自分で周回数が分かるようなカード(手のひらサイズ)
といった対応策があります
おすすめできない学級
☝あなた自身がやりたくない。(この場合はやめましょう)
☝学級(生徒や同僚・保護者・管理職等)の同意が得られない
※学級の体育はT1以外にもT2,T3や介助の先生が入ります。
持久走の実施に理解を得られない場合は、無理な導入は
避けましょう。
☝カリキュラム上、持久走を入れるよゆうがない。
学級によっては、すでに他の通年で取り組む領域があったりします。
学級の生徒や同僚等の環境に応じて、導入の可否を判断してくださいね
まとめ
今回の記事では、特別支援学級での体育授業の例として「サーキットトレーニング」について以下の視点から解説しました!
1.特別支援学級での持久走(5分間走)の実際の行い方
2.5分間走を行うメリットや留意点(安全面・心理面)
3.特別支援学級でどんな体育を行うかの見通し
少しでもご参考になれば幸いです!
分かりにくい点や、補足解説が必要な点などあれば、ぜひご質問・ご指摘下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それでは、また!