こんにちは!よしよしです。
今回の記事は、特別支援学級の体育授業の作り方の解説①です!
今回の授業のテーマは『サーキットトレーニング』!!
この記事を読むことで、特別支援学級(知的)に配属予定の保健体育科の先生方の
特別支援学級の授業って具体的にどんなことをすれば良いの?
サーキットトレーニングが良いって聞いたけど、どんなメリットがあるの?
以上の悩みを解決します!
この記事を読むことで、
1.特別支援学級でのサーキットトレーニングの実際の行い方
2.サーキットトレーニングを行うメリットや留意点(安全面・心理面)
3.特別支援学級でどんな体育を行うかの見通し
以上3点が分かるようになります!
それでは解説に移ります!
サーキットトレーニングの目的
①楽しく多様な運動を経験する
活動が単調にならず、音楽なども交えながら活動できるので、単調な動作の繰り返しが苦手な生徒も楽しく運動に取り組むことができます。
サーキットトレーニングを通して、多様な運動に取り組むことで、運動が苦手な生徒も得意な生徒も自分の身体の把握やコントロールが上手になります!
②継続して同じ運動種目に取り組む
💡生徒が成長を実感できる
💡活動の見通しをもちやすい
同じ種目に取り組むことで、生徒の運動自体の成長や、準備・片付けなどの成長がみられます!
成長をほめることで、授業に肯定的な雰囲気が生まれ、生徒のやる気もUPします!
サーキットトレーニングそのものは、生徒が慣れてくれば、
・準備
・トレーニング実施
・片付け
全部で10分もあれば終わります。
そのため、授業の主単元が「球技」や「器械運動」などの別領域であっても、年間を通して継続的に、体育授業で取り組むことが可能です。
わたしが勤めた学級でも、必ず毎授業ではないものの、年間を通して、継続的にサーキットトレーニングに取り組んでいました!
補足(よしよしがサーキットトレーニング単元で考えていたこと)
楽しくできると良いなぁ。
そのために、ぜひ先生方で取り入れる種目をアレンジして欲しいと思います!
みんなで準備や片付けも協力できると良いなぁ。
サーキットトレーニングに必要な用具の担当を決めて置き、準備や片づけを生徒達で協力してできるように声掛けを行いましょう。
1~3年生が合同で体育授業を行う学級では
「上級生+下級生」の組み合わせが、準備や片付けのやり方を引き継いでいけるのでおすすめです!
サーキットトレーニングの具体例
時間:4~5分(1曲分)
①音楽に合わせて楽しく行えるように
・明るい曲
・リズムの速い曲
②あまり長すぎないように
・長すぎると生徒が飽きたり、体力的につらくなります。
③誰かのお気に入り曲を
・最初は先生のお気に入り曲、2学期は生徒のお気に入り曲など
構成図
種目(6個程度)※あくまで参考です
1.ミニハードル
ミニハードルを5つ×2列用意する。
柔らかい素材のミニハードルがおすすめです。
身長や歩幅が違う生徒がいる場合は、2列つくり間隔を変えるのがおすすめです。
肋木(ろくぼく)
肋木に登って壁にタッチします。
生徒の体力や発達段階に応じて、どの高さまで登るか調整しましょう。
ケンステップ①
ケンステップを並べ、「ケン・ケン・パー」をします。
ケンステップ②
ケンステップを一直線に並べ、ケンステップの中を早く駆け抜けます。
ミニハードル
ミニハードル2回目です。
こちらも柔らかい素材で可能であれば色違いにすると視覚的にも変わります。
ラダー
ラダーも2列用意し、その中をラダーを蹴らないように駆け抜けます。
その他の必要な用具
ミニコーン
コースの折り返しに使います。
マーカー
コース作りに使います。
Bluetoothスピーカー
携帯から好きな曲を流せるのでおすすめです。
工夫点
①混雑緩和等のために、可能な限りで複数ルートを用意する。
②用具がずれる場所に教員を配置する。
活動中に用具を蹴ったりしてズレることがあるので、教員(T1,T2,介助員)で分担して、用具の調整をする。
記録の保持
単純に音楽を流しながらサーキットトレーニングを回すだけでも楽しいですが、同じ曲の中で、周回記録を取ると生徒の成長が実感できます。
スタート前に、新記録を目指す人が宣言する方式も可能です。
その際、「曲の鳴り終わりにスタートラインを超えられたらゴールまで続けられる」とすると記録の伸びが明確に判断できます。
最後まで挑戦している生徒を、先にゴールした生徒が応援でき、肯定的な雰囲気になります!
実施のポイント
用具の取り扱い
生徒に役割をふると、自分たちで準備片付けができます。
年度当初は先生と上級生で準備・片付けの手本を見せます。
生徒の役割分担
生徒が自分たちで役割を分担し、用具等の準備片付けをできると良いです。
ですが、学級の状態によっては、教員が手伝いに入りましょう。
「早く終わったら他の生徒を手伝う」という姿勢が生徒に身につくと
準備のスピードアップ&助け合う雰囲気ができます!
安全な用具を使う
【柔らかい素材の用具】
- 柔らかいミニハードル
- 柔らかいミニコーンなど
柔らかい素材のものを準備することで、怪我のリスクを軽減できます。
【薄い素材のもの】
- うすい素材でできたケンステップ
- フラットマーカーなど
転倒予防になります
安全管理
【実施前】
✅靴紐の確認(転倒防止)
【実施中】
✅靴紐の確認(転倒防止)
✅用具の配置場所(生徒が蹴ったりしたものを教員で戻します)
✅生徒の表情確認(体調やオーバーワークを見取る)
【運動後】
✅急に立ち止まらせない(心臓への負担軽減)
✅表情確認(オーバーワークへの対処)
チェックポイントは教員で共有し万全をきしましょう!
サーキットトレーニングのメリット・デメリット
メリット
✅多様な運動を継続できる
✅楽しく運動を継続できる
✅生徒が自分たちで環境を作る経験をさせられる
✅生徒観察の場(技能・社会性)
✅継続的に取り入れることで教師も生徒も活動の見通しをもちやすい
デメリット
☝用具がある程度必要
☝生徒の人数混雑緩和のため、同じ種目でも複数用具が必要な場合も
☝用具の運搬が生じる
※よしよしの学級(学級で管理の場合)
①特別支援学級の保管場所→体育館への運搬
②体育館→学級への運搬
☝用具の保管場所も必要(学級or体育館)
☝同じことをすることで飽きる生徒もいる
1年間同じ取り組みを続けることもできますが、ずっと同じことを続けると飽きる生徒もでます。
そのため、行事や他の球技が立て込む時期にはサーキットトレーニングをカットすることで、授業にメリハリがでます。
ただし、生徒も活動に慣れてくると数分で準備が完了できます。
年度初めの準備時間を計測し、折を見て記録更新に挑戦させるなどすると楽しく時間効率を上げられます!
補足
おすすめできる学級
✅教師(あなた)がやってみようと思える(1番大事)
✅同僚・生徒の理解を得られる。(年間計画等や他領域との兼ね合い)
☝生徒達が自分たちで準備に前向きに取り組める学級だと取り組み易いです
✅用具がある程度そろっている。
(1つもない状態からだと、まずは用具の準備から)
おすすめできない学級
☝あなた自身がやりたくない。(この場合はやめましょう)
☝学級(生徒や同僚・保護者・管理職等)の同意が得られない
※学級の体育はT1以外にもT2,T3や介助の先生が入ります。
サーキットトレーニング実施に理解を得られない場合は、無理な導入は
避けましょう。
☝生徒が数人しかいない。(準備・片付けの負担が大きいです。)
☝用具が無い(用具をある程度揃えてから検討しましょう)
☝カリキュラム上、サーキットトレーニングを入れる余裕がない。
学級によっては、すでに他の通年で取り組む領域があったりします。
学級の生徒や同僚等の環境に応じて、導入の可否を判断してくださいね。
追加種目の例
マット活用編
①マット転がり(マットの上をいろんな転がり方で移動します)
②マット上のビニールテープを渡る。(テープからはみ出さないように通ります)
ジャンプ編
①前後ジャンプ(5~10回程度)
②小さい段差ジャンプ(昇降台やマット、跳び箱の踏切台等)
③グーパージャンプ
④バーピージャンプ
生徒の実態にあったジャンプ強度を設定するか、生徒が選べる形でも良いです!
まとめ
今回の記事では、特別支援学級での体育授業の例として「サーキットトレーニング」について以下の視点から解説しました!
1.特別支援学級でのサーキットトレーニングの実際の行い方
2.サーキットトレーニングを行うメリットや留意点(安全面・心理面)
3.特別支援学級でどんな体育を行うかの見通し
少しでもご参考になれば幸いです!
分かりにくい点や、補足解説が必要な点などあれば、ぜひご質問・ご指摘下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それでは、また!